英語
約14.9億人5世紀にブリテン島へ渡ったアングロサクソン人の言葉を起源とするゲルマン語派の言語。1066年のノルマン征服以降、フランス語(ラテン語派)の語彙が大量に流入し、独特のハイブリッド言語となった。大英帝国の拡大とともに世界に広まり、20世紀以降は米国の経済・文化的影響力を背景に科学・ビジネス・インターネットの共通語(リンガフランカ)の地位を確立した。母語話者は約4億人にとどまるが、第二言語話者を含めると圧倒的な話者数を持つ。
標準中国語
約11.8億人北京語音を基礎に、20世紀中盤の中国で「普通話」として国家統一のために整備された標準語。4つの声調によって同じ発音でも意味が変わる声調言語であり、表意文字である漢字を使用する。中国本土の人口規模がそのまま話者数の大きさに直結しており、母語話者数では世界最大の言語となっている。台湾やシンガポールでも公用語の一つ。
ヒンディー語
約6.1億人サンスクリット語から派生した俗語(プラークリット)を起源とするインド・アーリア語派の言語。デーヴァナーガリー文字で表記される。話し言葉としては後述のウルドゥー語とほぼ相互理解可能だが、ヒンディー語はサンスクリット由来の語彙、ウルドゥー語はペルシア語・アラビア語由来の語彙を多く使う点で書き言葉の性格が異なる。インドでは英語とともに連邦公用語とされている。
スペイン語
約5.6億人俗ラテン語から発展したロマンス語派の言語で、イベリア半島北部のカスティーリャ地方の方言が母体。16世紀以降のスペインによる中南米植民地化によって、メキシコからアルゼンチンまで広大な地域の公用語となった。現在では母語話者数で英語を上回り世界第2位。20カ国以上で公用語とされている。
標準アラビア語
約3.35億人クルアーン(コーラン)の言葉である古典アラビア語を基礎とする、アラブ世界共通の書き言葉・フォーマルな話し言葉。右から左へ書くアラビア文字を使用し、イスラームの典礼言語でもある。一方、日常会話では国・地域ごとに大きく異なる口語アラビア語(エジプト方言、湾岸方言など)が使われ、標準アラビア語はニュースや公式文書、教育の場で用いられる「共通の書き言葉」としての性格が強い。
フランス語
約3.34億人俗ラテン語がガリア地方で発展したロマンス語派の言語。パリ周辺の方言(フランシアン語)が標準語の母体となった。フランスの植民地帝国の拡大により、西アフリカ・中央アフリカを中心に広く公用語として採用された。国連やEUなど国際機関の公用語としての地位も高く、アフリカの人口増加を背景に今後最も話者数が伸びる言語の一つとされる。
ベンガル語
約2.74億人詩人タゴールの言語として知られるインド・アーリア語派の言語。1952年、当時の東パキスタン(現バングラデシュ)でベンガル語を公用語として認めるよう求めた学生運動が弾圧された事件は、後のバングラデシュ独立運動の原点となり、この事件を記念して2月21日は国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)により「国際母語デー」に制定されている。
ポルトガル語
約2.69億人イベリア半島北西部ガリシア地方を起源とするロマンス語派の言語。15〜16世紀の大航海時代にポルトガルが築いた海洋帝国とともに、ブラジル・アンゴラ・モザンビーク・東ティモールなど世界各地に広まった。現在は話者の大半がブラジルに集中しており、母国ポルトガルよりもブラジル・ポルトガル語の発音・語彙が国際的な標準になりつつある。
インドネシア語
約2.55億人マレー語を基礎に標準化された言語で、1928年の「青年の誓い」でインドネシアの統一言語として採用された。実は母語話者数だけならジャワ語の方が多いが、多民族国家インドネシアをまとめる「国語」としてマレー語系のインドネシア語が選ばれた経緯がある。文法が比較的シンプルで、外国人にも学びやすい言語とされる。
ウルドゥー語
約2.46億人ムガル帝国時代のインドで、地元のヒンドゥスターニー語の文法にペルシア語・アラビア語由来の語彙が融合して形成された言語。話し言葉としてはヒンディー語とほぼ相互理解可能だが、ペルシア・アラビア文字で表記される点が大きく異なる。パキスタンの国語であり、インドでも憲法上の公用語の一つとされている。
ロシア語
約2.1億人キリル文字を使用する東スラヴ語派の言語。ソビエト連邦時代に中央アジア・コーカサス地方を含む広大な多民族国家の共通語として普及し、ソ連崩壊後も旧ソ連圏の多くの国で第二言語として広く使われ続けている。国際連合の公用語(6言語)の一つでもある。
標準ドイツ語
約1.33億人16世紀にマルティン・ルターが聖書をドイツ語に翻訳したことが、多様な方言を統合する標準ドイツ語の形成に大きな影響を与えたとされる。ドイツ・オーストリア・スイスなどで公用語とされ、歴史的に哲学・科学分野で重要な役割を果たしてきた言語でもある。
日本語
約1.26億人系統的に他の言語との明確な近縁関係が確立されていない、独自性の高い言語。中国から伝わった漢字と、そこから派生した平仮名・片仮名という2種類の音節文字を組み合わせて表記する点が特徴的。敬語体系が文法に深く組み込まれており、話者のほとんどが日本国内に集中している点も、世界の主要言語の中では珍しい。
ナイジェリアン・ピジン
約1.21億人18〜19世紀、英国人商人と西アフリカ沿岸部の人々との接触の中で生まれた、英語を基盤とするピジン言語。ナイジェリアの公用語ではないものの、多民族国家であるナイジェリアにおいて異なる母語を持つ人々をつなぐ共通語として都市部を中心に広く使われ、近年はアフロビーツをはじめとする音楽や映画(ノリウッド)を通じて国際的な認知度も高まっている。
エジプト・アラビア語
約1.18億人標準アラビア語とは文法・語彙の面でかなり異なる、エジプトの日常会話で使われる口語アラビア語。20世紀以降、エジプトの映画・テレビ・音楽産業が「アラブのハリウッド」と呼ばれるほどアラブ世界全体で強い影響力を持ったため、エジプト方言はエジプト国外でも広く理解される、アラブ世界で最も知名度の高い口語アラビア語となっている。