Build Note 目次へ
PART 4 ・ 第11章

App Storeの審査を通す

2026年11月時点の情報です
この章で考えること
  • 審査の指摘を、どう受け止めるか
  • 自分の手でやることを、どう段取りするか
  • 一度通った経験を、次にどう生かすか

審査は、落ちるものだと思っておく

App Storeに並ぶアプリは、すべてAppleの審査を通っています。はじめてアプリを出す人にとって、ここがいちばん大きな山です。

ヒトリキカクが審査を通して知ったのは、一度で通らなくても、まったくふつうのことだということです。却下されると、理由が書かれたメッセージが届きます。それを読んで直し、出し直せばいいのです。却下は、作り手への「ここを直してください」というお知らせです。

この章も、あなた自身の手で操作する場面がたくさんあります。Appleの管理画面での入力や、提出のボタンを押すのはあなたです。AIには、メッセージの意味を読みといてもらい、アプリを直してもらいます。

出すために必要なもの

費用と無料の枠について

開発者の登録費や、EASの無料で使える回数は、変わることがあります。公式の案内で確かめてください。EASの無料の枠は多くないので、小さな直しはためておいて、1回の組み立てにまとめるのがおすすめです。

提出から公開までの流れ

  1. 直して確かめる:AIに、エラーがないかの確認をしてもらう
  2. 版の番号を決める:はじめてなら 1.0.0。公開したあとに直すときは 1.0.1 のように上げる
  3. 本番の形に組み立てる:EASでアプリを組み立てる(10〜20分ほど)
  4. Appleに送る:組み立てたアプリを App Store Connect に送る
  5. 管理画面で入力して、審査に出す:説明文、画像、各種の質問に答えて、提出のボタンを押す
  6. 待つ:数日から、ときには1週間以上
  7. 公開する:審査を通ったら、配信の設定を確かめて公開する

3と4は、ターミナルで命令を動かす作業です。第9章の「黒い画面で聞かれたら」を思い出して、1つずつ進めます。

頼み方の例

このアプリをApp Storeに出したいです。はじめてです。 提出までにやることを、順番に一覧にしてください。 私が自分でやること(Appleの画面の操作など)と、あなたに頼めることを分けて書いてください。

提出の画面で求められること

App Store Connect で審査に出そうとすると、入力が足りない項目があれば一覧で教えてくれます。慌てずに、1つずつ埋めていけば大丈夫です。主な項目はこんなものです。

説明文・キーワードアプリの紹介と、検索されたいことば
スクリーンショットアプリの画面の画像。決められた大きさで
サポートのURL使う人が問い合わせできるページ
プライバシーポリシーどんな情報を扱うかを書いたページのURL
アプリのプライバシーどんなデータを集めるかの質問に答える
年齢制限中身についての質問に答える
価格と配信する国無料か有料か、どの国で配信するか

説明文やキーワードの下書きは、AIが手伝えます。プライバシーの質問は、アプリが実際にどんなデータを集めているかを、AIにアプリの中身から確かめてもらってから答えます。広告を入れていれば、集めていないつもりでも、集めていることになる場合があります。

頼み方の例

App Store Connectの「アプリのプライバシー」に答えます。 このアプリが、どんなデータを集めたり、外に送ったりしているかを、プログラムと使っているサービス(広告など)から調べて一覧にしてください。 それぞれ、質問のどの項目に当たりそうかも教えてください。

スクリーンショットの大きさ

画像の大きさは、説明のページに書いてあることより、管理画面が実際に求めている大きさに合わせます。画面に表示された数字をAIに伝えて、その大きさで作ってもらうのが確実でした。iPad向けに作っていないアプリなら、iPadに対応しない設定にしておくと、iPad用の画像を求められなくなります。

却下されたら

  1. 読むメッセージをそのままAIに見せて、何を求められているかを説明してもらう。
  2. 直すアプリを直して、組み立て直して、Appleに送り直す。
  3. 選び直す管理画面で、新しく送ったアプリを選び直してから、もう一度出す。

頼み方の例

App Storeの審査で、次のメッセージが届きました。 (ここにメッセージを貼りつける) 何を指摘されているのか、やさしく説明してください。 直すところと、直したことを確かめる方法も教えてください。

3つ目の「選び直す」は、とても忘れやすいところです。直したアプリを送っても、管理画面で選び直さないと、前のものがそのまま審査に出てしまいます。

はじめてのアカウントでは、最初の提出で「追加の情報をください」という連絡が来ることがよくあります。アプリの使い方を説明したり、画面の動画を送ったりします。これも、落ちたわけではありません。聞かれたことに、ていねいに答えれば大丈夫です。

審査を通ったあとの落とし穴

手順は、AIに書き残してもらう

アプリを公開したあとも、直すたびに同じ手順をくり返します。けれど、数か月たつと、細かいところは忘れてしまいます。だから、一度通った手順は、AIに手順書として書き残してもらいます。

頼み方の例

今回、審査に出してから公開するまでにやったことを、次のアップデートのときにそのまま使える手順書にまとめてください。 つまずいたところと、その直し方も入れてください。

ヒトリキカクの場合

最初のアプリ「自習室ヒトリキカク」は、2026年9月にApp Storeで公開されました。最初の提出では、追加の情報を求める連絡が来ました。審査の担当の人に動画を送るときは、本文ではなく、返信のところから添付する必要があることも、このとき知りました。

2つ目のアプリ「聴ける手帖」では、使っていないはずのマイクの説明文が入っていて却下されました。音を鳴らすために使った部品が、自動で入れていたものでした。AIと原因を探して取りのぞき、出し直して通りました。審査を通ったのに公開されず、調べると価格と配信する国の設定が抜けていた、ということもありました。いまは、このときの経験をAIにまとめてもらった手順書を見ながら、アップデートしています。

つまずきやすいところ

  • 直したのに、同じ却下のメッセージが見える。前のメッセージが履歴として残っているだけのことがあります。日時を見れば、新しいものかどうかがわかります。
  • 版の番号を上げ忘れる。公開したアプリを直して出すときは、番号を上げないと提出できません。
  • メールを待ち続ける。知らせのメールが来ないこともあります。管理画面で、いまの状態を自分で見にいきます。
  • パスワードや確認コードを、AIとのやりとりに書く。Apple IDのパスワードや、届いた確認コードは、自分で入力します。

あなたなら、どうする?

  1. 却下のメッセージが届いたとき、あなたならどうやって気持ちを立て直しますか。
  2. 一度で通すことと、早く出して直していくこと。あなたはどちらを大事にしたいですか。
  3. 次のアップデートのために、あなたならどんな形で手順を残しますか。

ヒトリキカクが大事にしたこと

正解ではなく、ひとつの例です。あなたのやり方と、くらべてみてください。

これで第4部「iPhoneアプリを作る」はおしまいです。最後の部では、作ったものを届けて、作り続けるための話をします。