作ることと、届けることは別の仕事
サイトを公開した。本を売り出した。アプリがApp Storeに並んだ。それでも、知らせなければ、ほとんど誰にも気づかれません。第6章で見た「検索」は、時間をかけて効いてくる道です。この章では、もっと直接、自分から知らせにいく道を扱います。
「宣伝は苦手」という人も多いと思います。けれど、届けることは、押し売りとは違います。あなたの作ったものを必要としている人に、その存在を教えてあげることです。
どこで知らせるか
知らせる場所には、それぞれ得意なことがあります。全部をやる必要はありません。あなたが続けられそうな場所は、どこでしょうか。
どこで知らせるにしても、最後の行き先はあなたのサイトにしておくと、作品が増えても迷子になりません。
「作った過程」は、それ自体が読み物になる
経験ゼロからAIと一緒に何かを作った。その過程そのものが、同じことをしようとしている人にとっては、とても役に立つ読み物になります。うまくいったことだけでなく、つまずいたこと、迷ったことも含めてです。
作業の記録は、AIとのやりとりや、フォルダの中の変更の履歴に残っています。それをもとに、AIに下書きを手伝ってもらえます。
頼み方の例
ただし、気持ちや考えは、あなたにしか書けません。なぜ作ろうと思ったのか。できたとき、どう感じたか。AIに整えてもらうのは文の形までにして、中身はあなたのことばで書きます。
告知の文章と画像をAIと作る
投稿の文章
頼み方の例
場所ごとに、決まりやくせがあります。Instagramの投稿の文章に書いたURLは押せない、ハッシュタグの数は多ければいいわけではない、など。こうした決まりは変わることもあるので、気づいたことはメモ(CLAUDE.md)に書いておいてもらうと、次から同じ失敗をしません。
画像と動画
第8章で商品ページの画像をプログラムで作ったように、告知の画像や短い動画も、プログラムで作れます。一度しくみを作っておけば、新しい作品のたびに、中身を差し替えるだけで作り直せます。
頼み方の例
生成AIで作った画像を使うときは、そのサービスの利用の決まりを確かめておくと安心です。人から受け取った写真は、誰が撮ったものか、使ってよいものかを確かめてから使います。
作品どうしをつなぐ
作品が2つ、3つと増えてきたら、作品どうしをつなぎます。ひとつの作品を気に入ってくれた人が、ほかの作品にも自然にたどり着けるようにするためです。
- サイトのトップに、すべての作品の入口をまとめる
- アプリの中から、サイトや本の案内に飛べるようにする
- 本の奥付や、動画の説明欄に、サイトのURLを入れる
- 新しい作品を出したら、サイトの「新着」に載せる
頼み方の例
ヒトリキカクの場合
アプリを作っている途中から、noteで開発の記録の連載を始めました。第1回は2026年9月、まだ審査に出す前のことです。毎日の作業をAIに振り返ってもらって材料にし、気持ちのところは自分のことばで書いています。
本を売り出したときは、Instagramに画像5枚の投稿と、リンクつきのストーリーズで知らせました。画像は、PDFのページを使ってプログラムで作っています。YouTubeでは、場所を変えた環境音の自習動画を出していて、短い紹介動画も、台本を書けばプログラムで作れるしくみを用意しました。
そして、サイトのトップでは、自習室、アプリ、本、ゲーム、動画を「学ぶ・考える・休む」の3つに分けて並べています。どこから来た人も、ほかの作品に出会えるようにするためです。
つまずきやすいところ
- 全部の場所で、一度に始める。続かなければ意味がありません。1つか2つから。
- 宣伝ばかりになる。作った過程、使い方、ちょっとした工夫。役に立つ投稿の合間に、知らせを混ぜます。
- リンク先がばらばら。行き先はできるだけ自分のサイトにそろえます。
- AIの文章をそのまま出す。あなたのことばになっているか、声に出して読んでから出します。
あなたなら、どうする?
- あなたが無理なく続けられそうな、発信の場所はどこですか。
- 作った過程の中で、あなたが人にいちばん話したいことは何ですか。
- あなたの作品どうしをひとつにまとめる「ひとこと」を考えてみてください。ヒトリキカクの場合は「ひとり時間を、自分のために」です。
ヒトリキカクが大事にしたこと
正解ではなく、ひとつの例です。あなたのやり方と、くらべてみてください。
- 作ることと届けることは別の仕事。知らせなければ気づかれない
- 続けられる場所を1つか2つ選び、最後の行き先は自分のサイトに
- 作った過程は読み物になる。材料はAIと、気持ちは自分のことばで
- 告知の画像や動画も、プログラムで作れば使い回せる
- 作品どうしをつないで、次の作品に出会える形にする
次はいよいよ最後の章です。AIと長く一緒に作っていくためのコツを、失敗の記録とあわせてまとめます。