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PART 1 ・ 第3章

AIへの頼み方

2026年11月時点の情報です
この章で考えること
  • 自分の頭の中にあるものを、AIに伝わる形にするには
  • 大きな作業を、どんな順番に分けて進めるか
  • うまくいかないとき、どう伝えれば助けてもらえるか

AIは、言われたことしかわからない

AIはとても物知りです。けれど、あなたの頭の中は見えません。誰に見せるページなのか、どんな雰囲気にしたいのか、やってほしくないことは何か。言わなければ、AIはそれらしい答えで埋めてしまいます。

新しく来た助手に仕事を頼む場面を思い浮かべてください。仕事はできる人です。でも、あなたの職場のことは何も知りません。どう伝えれば、思った通りに動いてもらえるでしょうか。AIへの頼み方は、それとほとんど同じです。

ヒトリキカクの「4つの材料」

ヒトリキカクは、頼むときに次の4つを入れるようにしています。全部そろわなくてもかまいませんが、入っているほど、思った通りのものが返ってきました。

  1. 何を:作るもの、直すもの。「自己紹介のページ」「見出しの色」
  2. 誰のために:見る人、使う人。「中学生」「同じ趣味の大人」
  3. どんな形で:雰囲気、大きさ、色、入れることば
  4. やらないこと:触ってほしくない場所、使ってほしくない色や言い回し

なかでも忘れやすいのが、4つ目の「やらないこと」です。AIは親切なので、頼まれていないところまで「ついでに」直してしまうことがあります。

くらべてみよう

伝わりにくい

お店の紹介ページをいい感じに作って。

伝わりやすい

近所の人向けに、パン屋の紹介ページを1枚作ってください。 ・入れること:店名、営業時間、おすすめ3品 ・雰囲気:あたたかい、手書き風 ・スマホで見る人が多いです ・地図はまだ入れないでください

大きな作業は「提案 → 試作 → 確認」

ページを1枚作るくらいなら、頼んですぐ作ってもらってかまいません。けれど、ページが増えたり、作り直しが大きくなったりするときは、いきなり作らせないほうがうまくいく、というのがヒトリキカクの実感です。

  1. 提案どう作るか、案を出してもらう。まだ作らせない。
  2. 試作一部分だけ作ってもらう。1ページ、1か所だけ。
  3. 確認自分の目で見て、よければ全体に広げる。

1. 提案してもらう

頼み方の例

サイトに「お知らせ」のページを足したいです。 まだ作らずに、どんな作り方があるか、2つか3つ案を出してください。 それぞれのよいところと、気をつけることも教えてください。

「まだ作らずに」と書くのがポイントです。案を見くらべてから選べるので、あとで「思っていたのと違う」となりにくくなります。迷ったら、「あなたのおすすめはどれですか?」と聞いてもかまいません。

2. 小さく試作してもらう

頼み方の例

2つ目の案でいきます。 まずはお知らせを1件だけ入れた形で作ってください。 ほかのページはまだ変えないでください。

全部できあがってから直すより、小さいうちに直すほうが、ずっと楽です。

3. 確かめてから広げる

ブラウザで開いて、思った通りかを確かめます。よければ「この形で、残りもお願いします」。違っていたら、どこが違うかを伝えて、もう一度試作してもらいます。

ヒトリキカクの場合

英文法の参考書「Grammar Note」を作り直したときも、この3拍子で進めました。まずページの作り方の案を出してもらい、1つの項目だけを試作してもらって、見た目と読みやすさを確かめてから、残りの項目に広げました。サイト全体の作りかえのような大きな変更も、いつもこの順番です。

うまくいかないときの頼み方

AIと作っていると、思った通りに動かないことは必ずあります。そんなときに大事なのは、見たままを、そのまま伝えることです。

エラーが出たとき

画面に英語のメッセージが出ても、意味がわからなくて大丈夫です。そのままコピーして渡します。

頼み方の例

ページを開いたら、こう表示されました。 (ここに表示されたメッセージを貼りつける) 何が起きているのか、やさしく説明してから直してください。

見た目がおかしいとき

「おかしいです」だけでは、どこがおかしいのか伝わりません。どの画面で、どこが、どうなっているかを書きます。画面を写した画像(スクリーンショット)を見せられるなら、いっしょに渡すとさらに伝わります。

伝わりにくい

表示がおかしいです。

伝わりやすい

スマホで見ると、いちばん上の写真が画面の右にはみ出して、横にずれてしまいます。パソコンでは大丈夫です。

前の状態にもどしたいとき

頼み方の例

いまの変更は取り消して、ひとつ前の状態にもどしてください。

直すたびに状態が変わるので、「どこまでもどせるか」は場合によります。大事な作業の前には、「いまの状態を残しておいてください」と頼んでおくと安心です。

決まりごとは、メモに残してもらう

AIとのやりとりは、長くなると最初のほうの話を忘れてしまうことがあります。日をまたぐと、なおさらです。だから、何度も伝えたいことは、フォルダの中のメモに書いておいてもらいます。

頼み方の例

このサイトの決まりごとを、あとで読み返せるようにメモにしておいてください。 ・色は青と白を基本にする ・ことばは「です・ます」でそろえる ・地図は入れない

Claude Codeには、フォルダの中にある決まりごとのメモ(CLAUDE.md という名前のファイル)を、作業を始めるときに読んでくれるしくみがあります。毎回同じ説明をくり返さなくてすむようになります。

つまずきやすいところ

  • うまくいかないと、頼み方を大きく変えてしまう。まず「何が起きたか」を伝えて、原因を聞くほうが早く直ります。
  • 「はい」「OK」だけで進める。AIの案に返事をするときは、どの案で進めるのかをはっきり書きます。
  • AIの説明をうのみにする。「直しました」と言われても、自分の目で開いて確かめるまでは、直ったことにしません。

あなたなら、どうする?

  1. あなたが人に仕事を頼むとき、気をつけてきたことは何ですか。それはAIにも使えそうですか。
  2. あなたの作品の「やらないこと」を、3つ書き出してみてください。
  3. 「提案 → 試作 → 確認」のほかに、あなたに合いそうな進め方はありますか。

ヒトリキカクが大事にしたこと

正解ではなく、ひとつの例です。あなたのやり方と、くらべてみてください。

ここまでで準備の話は終わりです。次の部では、ヒトリキカクがWebサイトをどう作ったかを見ていきます。