公開しただけでは、誰も来ない
サイトを公開すると、世界中の誰でも見られるようになります。けれど、見られるようになることと、見に来てもらえることは別です。住所があっても、誰にも知らせなければ、人は訪ねてきません。
人がサイトにたどり着く道は、大きく3つあります。
- 検索:Googleなどでことばを入れて検索した人が、結果から来る
- 紹介:SNSやメッセージで、リンクを見て来る
- つながり:あなたのほかの作品やページから、リンクをたどって来る
この章では、主に検索と、その下ごしらえを扱います。SNSでの告知や、作品どうしをつなぐ話は、第12章でくわしく書きます。
検索のために、ページに入れておくもの
検索サービスは、ページに書いてあることを読んで、「このページは何について書いてあるか」を判断します。読む人には見えにくいけれど、検索サービスやSNSが読む情報が、ページの中にはいくつかあります。
- タイトル:ブラウザのタブや、検索結果の見出しに出ることば
- 説明文(ディスクリプション):検索結果で、タイトルの下に出ることがある短い紹介
- SNS用の情報(OGP):リンクをSNSに貼ったときに出る、画像とタイトルと紹介
どれも、ページの見えない部分に書き込むものです。書き方を覚える必要はありません。AIに頼めば入れてくれます。あなたが考えるのは、そこに何と書くかです。
頼み方の例
いちばん大事なのは、中身
見えない情報を整えるのは、あくまで下ごしらえです。検索で上のほうに出るかどうかを一番左右するのは、そのページが、読んだ人の役に立つかどうかです。
誰の、どんな困りごとに答えるページなのか。ほかのページにはない、あなたならではの経験や工夫が書いてあるか。AIに文章を整えてもらうのはかまいませんが、中身の芯は、あなたの経験から出てくるものです。
Googleに知らせる
新しいサイトは、検索サービスに見つけてもらうまで時間がかかります。Googleの場合、Search Console(サーチコンソール)という無料の道具で、「このサイトがあります」と知らせることができます。
- 自分のサイトであることを確かめる手続きをする(Googleのアカウントが必要です)
- サイトの中のページの一覧(サイトマップ)を知らせる
- どんなことばで検索されて、何回表示されたかを見る
手続きの中で、確認用の文字列をページに入れたり、確認用のファイルをサーバーに上げたりすることがあります。その部分はAIに手伝ってもらえます。ログインや手続きのボタンは、あなたが操作します。
頼み方の例
何人来たかを、数字で見る
サイトに何人が来て、どのページがよく読まれているか。それを数字で見られるようにするのがアクセス解析です。よく使われているのが、Googleの無料の道具Googleアナリティクスです。
使い始めるには、Googleアナリティクスの画面で登録をして、もらった計測用のコードを、サイトの全ページに入れます。コードを全ページに入れる作業は、AIに頼めます。
頼み方の例
計測用のコードは、ページを開けば誰でも見られるもので、パスワードとは違います。ただし、Googleアカウントのパスワードは、これまでどおりAIに見せません。
広告を出したいなら:AdSenseの審査
サイトに広告を出して収入を得るしくみに、GoogleのAdSense(アドセンス)があります。申し込むと審査があり、合格したサイトだけが広告を出せます。
審査の基準は公開されている範囲でしかわかりませんし、変わることもあります。それでも、ヒトリキカクの経験からは、少なくとも次のものはそろえておきたいところです。
- 中身のあるページ:作りかけのページや、ほとんど文字のないページばかりにしない
- プライバシーポリシー:アクセス解析や広告で、どんな情報を扱うかを書いたページ
- 運営者の情報:誰が運営しているサイトか
- 問い合わせの方法:見た人が連絡を取れる手段
頼み方の例
プライバシーポリシーのひな形はAIに作ってもらえますが、自分のサイトで実際に何をしているかに合わせて、あなたが読んで確かめてください。運営者の情報をどこまで載せるか(名前、住所など)も、あなたが決めることです。
ヒトリキカクの場合
教員だったころ、勤めた学校でWebサイトを作る担当になったことがあります。受験する生徒の倍率が1倍を超えたり、学校を見に来てくださる方が増えたりしたとき、「Webが少しでも役に立ったのかもしれない」と、うれしくなったのを覚えています。見つけてもらうことの手ごたえを知ったのは、あのときでした。
ヒトリキカクのサイトは、AdSenseの審査に2回落ちています。理由はどちらも「有用性の低いコンテンツ」でした。1回目のあとは、プライバシーポリシーのページを新しく作り、問い合わせのページを充実させ、「試作版」「制作例」のような、作りかけに見えることばを外しました。ページごとの説明文も、1つずつ書き分けました。2回目のあとは、運営者の情報(屋号と経歴)を足しました。住所は載せない、と自分で決めています。
つまずきやすいところ
- 公開した次の日に、検索に出ないとあせる。新しいサイトが検索に出るまでには、日にちがかかります。
- 「検索に出さない」設定を消し忘れる。作りかけのページには、検索に出さないためのしるし(
noindex)を入れることがあります。公開するときに消し忘れると、いつまでも検索に出ません。 - 数字に振り回される。アクセス数は、毎日上がったり下がったりします。週や月の単位で見るくらいが、ちょうどいいのかもしれません。
- 広告を貼りすぎる。読みにくいページは、人が離れていきます。広告より先に、中身です。
あなたなら、どうする?
- あなたのページは、誰の、どんな困りごとに答えるものですか。
- アクセスの数字を、どのくらいの間隔で見るのが、あなたにとってちょうどいいですか。
- あなたの作品に、広告は合いますか。合わないとしたら、ほかにどんな続け方がありますか。
ヒトリキカクが大事にしたこと
正解ではなく、ひとつの例です。あなたのやり方と、くらべてみてください。
- 人が来る道は、検索・紹介・つながりの3つ
- タイトル・説明文・SNS用の情報は、AIに入れてもらい、何と書くかを自分で決める
- 検索でいちばん大事なのは、読んだ人の役に立つ中身
- Search Consoleで知らせ、Googleアナリティクスで数字を見る
- AdSenseの審査には、中身・プライバシーポリシー・運営者情報・問い合わせ
これで第2部「Webサイトを作る」はおしまいです。次の部では、同じやり方でPDFの本を作って売ったときのことを書きます。