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PART 3 ・ 第7章

原稿からPDFを作る

2026年11月時点の情報です
この章で考えること
  • 自分の知っていること、書いてきたことを、本の形にするとしたら
  • 本の形(大きさ・中身・リンク)を、何を基準に決めるか
  • 出したあとで、本をどう育てていくか

Webページを作れたら、本も作れる

第2部では、HTMLとCSSでWebページを作りました。実は、同じHTMLとCSSで、PDFの本も作れます。

ブラウザには、開いているページを印刷する機能があります。そこで「PDFに保存」を選ぶと、ページがPDFになります。この「ページをPDFにする」作業を、プログラムで何十ページ分もまとめて行えば、1冊の本ができあがります。

そのプログラムを書くのは、もちろんAIです。あなたは、どんな本にしたいかを決めて、できたPDFを確かめます。第1章の「決める・書く・確かめる」は、本づくりでも変わりません。

しくみの全体図

  1. 原稿Webページの形(HTML)で書く。章ごとに1ファイル。
  2. 組み立てAIが作ったプログラムが、原稿を順に読んで本の形にする。
  3. PDFブラウザのしくみでPDFにして、ページ番号やしおりをつける。

この形にしておくと、よいことが3つあります。

組む前に決めること

本の形は、あとから変えると手間がかかります。ヒトリキカクがA4とA5で迷ったように、AIに頼む前に考えておきたいことがあります。

フォントの注意

PDFには、使った文字の形(フォント)が埋め込まれます。売る本に使うフォントは、商用で使ってよいものかを確かめてください。無料で商用利用できるフォントも多くあります。迷ったらAIに「このフォントは売るPDFに使えますか?」と聞き、最後は配布元の説明を自分で読んで確かめます。

ヒトリキカクの進め方:試作の1ページから

ヒトリキカクは、ここでも第3章の「提案 → 試作 → 確認」で進めました。いきなり全部の章を組ませず、まず1章分だけPDFにしてもらう方法です。

1. 作り方を提案してもらう

頼み方の例

このフォルダにある原稿(HTMLのファイル)から、販売用のPDFの本を作りたいです。 ・大きさ:A4 ・入れるもの:表紙、もくじ、本文、奥付 ・もくじから各章に飛べるようにしたい ・原稿のファイルは書きかえずに、読むだけにしてください まだ作らずに、どんな作り方になるか説明してください。 必要な道具があれば、それも教えてください。

「原稿のファイルは書きかえずに」と書いておくのが大事です。原稿は、Web版にも使う大切なものです。組み立てのプログラムは、原稿を読むだけにしてもらいます。

組み立てには、Python(パイソン)というプログラムを動かす道具などが必要になることがあります。入れ方がわからなければ、AIに手順を聞きながら入れます。

2. 1章だけ試作する

頼み方の例

その作り方でお願いします。 まずは表紙と第1章だけでPDFを作ってください。 できたら、何ページになったかと、PDFがどこにできたかを教えてください。

3. 開いて確かめる

できたPDFを開いて、1ページずつめくります。Webページと違って、PDFにはページの区切りがあります。画面ではきれいだったものが、ページの変わり目で切れてしまうことがあります。

気になるところがあれば、何ページの、どこが、どうなっているかを伝えて直してもらいます。よければ、「この形で、全部の章を組んでください」と広げます。

直したら、もう一度組む

本ができてからも、誤字や、変わった情報を直すことがあります。そのときは、PDFを直接いじらず、原稿を直してから組み直します。PDFを直接直すと、次に組み直したときに、その直しが消えてしまうからです。

頼み方の例

第3章の原稿の「〇〇」を「△△」に直して、PDFを組み直してください。 組み直したあと、見出しがページの最後に取り残されているところがないか確かめてください。

確かめ方そのものも、AIにプログラムにしてもらえます。一度作っておけば、組み直すたびに同じ確認ができます。

ヒトリキカクの場合

英文法の参考書「Grammar Note」は、もともとWebで公開していた原稿から、PDFの本に組み立てました。表紙、もくじ、25の項目、さくいん、奥付まで、112ページです。最初はA4とA5の2つの大きさで作っていましたが、途中でA4だけに絞りました。発売したあとで、「例文で確認」という見出しだけがページの最後に残っている所が13か所見つかり、AIと一緒に組み立て方を直しました。いまは、組み直すたびに、取り残しがないかをプログラムで確かめています。

手帳の「冒険手帳 2027」は、400ページを超えるリンクつきのPDFです。毎日のページに物語の1場面があり、物語の選択肢を押すと、続きのページに飛ぶようになっています。これだけのページ数でも、組み立てはプログラムが一度に行います。リンクが切れていないかを確かめるのも、プログラムの仕事です。

つまずきやすいところ

  • PDFを直接直してしまう。次に組み直すと、直しが消えます。直すのはいつも原稿です。
  • 画面で見るだけで済ませる。売る前に、実際に印刷してみると、余白や文字の大きさの問題に気づけます。
  • 形を何度も変える。ヒトリキカクも、途中でA4だけに絞りました。大きさや入れるものは、最初の試作の段階で決めきるほうが楽です。全部組んでから変えると、確かめ直しが大変です。

あなたなら、どうする?

  1. あなたの手元に、本にできそうな原稿や、人に伝えたい知識はありますか。
  2. あなたの本は、画面で読まれる本ですか。それとも印刷される本ですか。
  3. 紙の本ではできない、PDFの本ならではのよさを、あなたならどう生かしますか。

ヒトリキカクが大事にしたこと

正解ではなく、ひとつの例です。あなたのやり方と、くらべてみてください。

次の章では、できあがったPDFの本を、BOOTHで売り出したときのことを書きます。