Chapter 01
設計に必要な情報を洗い出す
Claudeが学習サイトを作るとき、実は「デザインの好み」よりも先に必要になるのが 教育の中身に関する情報です。ここが曖昧なまま依頼すると、Claudeは一般的な仮定で埋めるしかなく、 対象学年とずれた説明や、根拠のない断定が混ざりやすくなります。
1-1誰のためのサイトか
| 項目 | なぜ必要か | 渡す情報の例 |
|---|---|---|
| 対象学年・年齢 | 語彙の難易度、漢字の使用可否、説明の抽象度が変わる | 「小学5年生」「高校1年・文系」 |
| 教科・科目 | 用語の正確な定義や表記ルールが教科ごとに異なる | 「理科・電流分野」「日本史・近代」 |
| 使用目的 | 授業の補助教材か、家庭学習用か、受験対策かで深さが変わる | 「授業内の復習用」「定期テスト対策」 |
| 既存の教材・準拠範囲 | 教科書や学習指導要領とズレた内容にしないため | 「東京書籍の教科書に準拠」 |
1-2何を、どの順番で教えるか
単元の一覧と順序は、Claudeが章立てやページ構成を作る上での骨格になります。 「単元名だけ」でもゼロよりはるかに良いですが、単元同士の前提関係(この単元は前の単元の理解が前提、など)まで伝えると、 サイト内のリンク導線や「前の単元を復習する」といった案内文まで自然に組み込めます。
- 単元一覧(できれば学習指導要領や教科書の目次)
- 各単元で「できるようになってほしいこと」(学習目標)
- つまずきやすいポイント(過去の指導経験があれば特に有用)
- 使ってよい具体例・使ってはいけない表現(学校の方針がある場合)
1-3正確さの担保をどうするか
理科の数値、歴史の年号、数学の公式や計算例など、1つの誤りが教材としての信頼を失わせる領域では、 Claude任せにせず「検証の仕方」自体を事前に決めておくことが重要です。
- 数値・年号・固有名詞は、渡した資料の範囲内でのみ使うよう指示する
- 計算例は「途中式を全部見せる」よう指示し、後で人が検算できるようにする
- 教科書に書かれていない発展的な内容を書く場合は「発展」と明示させる
- 出典が必要な分野(歴史・時事など)は、出典を書けない場合は書かせない
1-4専門教科と専門外教科で、準備するものは変わる
学校の先生も塾の先生も、教材を作る教科は自分の専門教科だけとは限りません。副教科の穴埋めプリントを頼まれたり、 専門外の科目を臨時で受け持つこともあります。Claudeにとっては専門教科でも専門外教科でも、書き方の骨格は同じですが、 依頼する人間の側が持っている「暗黙の相場観」の量が違うため、渡す情報の中身を少し調整すると安心です。
学年相応の表現かどうか、生徒がどこでつまずくかを自分で判断できるので、 Chapter 01〜03の指示に加えて「自分の経験則」をそのまま指示文に足すのが効果的です (例:「この単元は分数の理解でつまずく生徒が多いので、具体例を先に出してから式を示して」)。
自分で正誤の判断がしにくい分、Claude側の「断定を避ける」「要確認と注記する」指示(Chapter 03)を、 専門教科のとき以上に厳格に使うことが安全策になります。教科書や指導書のPDFをできるだけ渡し、 「この資料の範囲を超える内容は書かない」と明示するのも有効です。
1-5サイトとしての形
ここまでは「中身」の話でしたが、サイトの器についても最低限決めておくと後戻りが減ります。
単元ごとに1ページか、単元内をさらに「解説・例題・練習問題」に分けるか。ページ数の見積もりにも直結します。
教科書的な硬さか、親しみやすいキャラクター口調か。学年が低いほどトーンの影響は大きくなります。
クイズ・穴埋め・採点機能など、静的な解説以上の機能が必要か。必要ならHTML/JSでの実装が前提になる旨も伝える。
ルビ(ふりがな)の要否、色覚多様性への配慮、文字サイズの調整可否なども学校向けでは重要な観点です。