04 / 部活動指導

部活動指導

教員の長時間労働の要因の一つとされてきた部活動。少子化と働き方改革を背景に、指導のあり方そのものが大きく変わろうとしています。

04 / 部活動指導

教員の長時間労働の主要因の一つ

部活動の顧問は、長らく学校の教員が担ってきました。しかし部活動指導は、教員の長時間労働の主要な要因の一つとされ、指導に見合わない部活動手当の少なさも含め、大きな負担として指摘され続けてきました。

180万6,006人 日本中学校体育連盟への加盟生徒数(2023年度)。直近10年間で2割程度減少しており、少子化により部活動の存続自体が難しい地域も出ています。
68% 2026年度までに休日の部活動の地域移行を計画していると回答した自治体の割合(スポーツ庁・中間とりまとめ)。2025年度末までの計画は54%。

出典:日本総合研究所(2025年1月)、サイネックス・マガジン(スポーツ庁中間とりまとめに基づく)

休養日の基準は、2018年に初めて示された

部活動の活動時間や休養日について、国が具体的な基準を示したのは2018年3月のことです。スポーツ庁が策定した「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」は、学期中は週あたり2日以上の休養日を設けること、1日の活動時間は平日で2時間程度、学校の休業日は3時間程度とすることなどを初めて明記しました。それまで部活動の運営は各学校・各顧問の裁量に大きく委ねられており、休みなく毎日活動する部も珍しくなかった状況に、初めて国としての目安が示されたことになります。

このガイドラインはその後、2022年12月に文化部活動向けの基準と統合され「学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン」に、さらに2025年12月には「部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン」へと改定されています。最新版が公表された背景には、2026年度から部活動改革の「改革実行期間」が始まることがあり、休養日等の基準を維持しながら、地域クラブ活動への移行をより具体的に進めるための内容が加えられました。7年余りの間に3回改定されていること自体が、この分野の制度がまだ確立した形に至っておらず、試行錯誤が続いていることを示しています。

「地域移行」から「地域展開」へ

少子化と教員の働き方改革を背景に、公立中学校の休日の部活動を、地域のスポーツクラブや文化団体など学校の外に移していく「部活動の地域移行」が全国で進められています。2025年5月には国の「地域スポーツ・文化芸術創造と部活動改革に関する実行会議」の最終とりまとめを機に、正式な呼称が「地域移行」から「地域展開」へと改められました。単に運営主体を学校から地域へ移すのではなく、地域全体で子どものスポーツ・文化芸術活動を支えていくという考え方への転換だとされています。

指導者不足という壁

地域移行を進めるうえで大きな課題となっているのが、指導を担う地域人材の不足です。国は自治体が指導員に支払う報酬などを支援する予算を確保し、全国の市区町村がモデル事業に参加していますが、地域や競技によって担い手の確保状況には差があります。教員の負担軽減という本来の目的を果たすためには、地域側の受け皿づくりが欠かせません。

「顧問」という役割の特殊さ

部活動の顧問は、多くの場合、担当する競技や分野の専門知識や経験の有無に関係なく、校務分掌として割り振られます。専門外の部活動を任された教員が、休日を使って審判講習を受けたり、独学で指導法を学んだりするケースも珍しくありません。指導の質を高めたいという教員自身の熱意が、結果として労働時間をさらに押し上げてしまうという側面もあります。国は外部人材を指導者として活用する「部活動指導員」制度を設けていますが、配置は自治体や学校ごとの予算に左右され、全国一律に行き渡っているわけではありません。

生徒・保護者への影響も

地域移行は、生徒にとっては学校の枠を超えて活動できるという利点がある一方、保護者にとっては新たな会費負担や送迎の必要性が生じる場合もあります。平日は教員が指導する「学校部活動」、休日は地域人材による「地域クラブ活動」という形で段階的に移行が進められており、まずは公立中学校から取り組みが始まっています。高校や私立学校への展開は、今後の課題として位置づけられています。